2025/9/10
3人を褒めるというのは、その人のことをリスペクトしていることを伝える手段である
日常生活において、人を褒める機会は多い。しかし、褒める行為を「恥ずかしい」「下手にでている」と感じ、ためらう人も少なくないだろう。実際、私もかつては同じように感じていた。相手に「お世辞だな」「ごまをすっているな」と思われるのではないかと気にし、褒めることを避けていたのだ。
しかし、褒めることが相手へのリスペクトを示す行為であると気づいてから、私は意識的に人を褒めるようになった。褒めることが習慣になると、次第に無意識でも自然に相手の良いところを見つけ、褒めることができるようになったのである。
褒めるという行為は、言葉以上の重みを持つ。それはまさに言霊となる。褒めることは、相手の努力や特長、そして存在そのものを認め、その価値を尊重している証拠だ。つまり、「認めている」というメッセージを伝える手段であり、リスペクトの表現そのものである。
かつて、私が人生に絶望し、自分の存在を否定していた時期があった。その時、家族が「あなたが成功しようが失敗しようが関係ない。あなたはそのままで十分素敵だ。あなたはあなただよ」と言ってくれた。この言葉は単なる結果を褒めたものではなく、私の存在そのものを肯定してくれるものだった。その時に、私は褒めることの本質を深く理解した。褒め言葉は、相手へのリスペクトを伝える最も効果的な手段であり、その存在を肯定する力を持っているのだと実感した。
それから褒めに対しての効果を調べた。すると、褒めには負の一面もあることが分かった。例えば、過度に褒めすぎると相手にプレッシャーを与えたり、自己評価が過度に高まり、現実とのギャップに苦しむことがある。これは「お世辞」や「過剰な期待」として受け取られ、逆に人間関係を悪化させる可能性もあるのだ。
実際、ある調査によると、過度な賞賛を受けた人の約30%が、その後に自己評価の低下やプレッシャーを感じているという結果が出ている。また、教育心理学の研究では、子どもたちに対して過剰に褒めると、逆に挑戦する意欲を失ったり、失敗を恐れて新しいことに挑まなくなる傾向があることも指摘されている。これは「固定された能力」への褒めが、「成長過程」への褒めと比べて、長期的な学習意欲や自己成長に悪影響を与えることが原因だ。
さらに、職場においても、部下を褒めすぎることでモチベーションが低下するケースもある。部下が「もう十分だ」と感じてしまい、それ以上の成長や挑戦を求めなくなることがあるからだ。褒めることが相手にとって負担にならないよう、適切なバランスを保つことが重要である。
仕事はすべて結果で評価されるべきだ。それが正しい世界である。そうでないと、評価の基準が曖昧になり、組織全体の信頼性が損なわれてしまう。仕事の評価は結果によって決まる。これには数字という客観的な指標があるため、誰もが論理的に判断できる。ここに感情的な褒めや叱責は不要だ。課題と改善は、数字を基に冷静に判断することが求められる。
そして、現実の職場では、「あの人は褒められているのに、私は何も言われない」と感じる人も多いだろう。このような不満が「ひいき」として受け取られる可能性もあるため、褒めることをためらう人も少なくない。実際、自分では平等に接しているつもりでも、他者から見ればその平等さは必ずしも共有されないことがある。研究によれば、職場での「ひいき」や「不公平感」は、従業員の約40%にストレスやモチベーションの低下を引き起こすとされている。