スキルとしての自信の伝え方

はじめに

自信とは、「自分の能力や価値を信じること」や「自分の言動を疑わない心」を指します。ビジネスやプライベートにおいて非常に重要な要素ですが、日本人は他国に比べて自己肯定感が低い傾向があり、統計的にも日本は世界的に自己肯定感が低い国とされています。

実際、自信のある社員はそうでない社員に比べて20%以上パフォーマンスが向上するというデータも存在します。

「自信を持て」と言われても、できないという声は多いでしょう。私自身もそう感じていました。しかし、最新の脳科学によれば、自信は「思い込み」に過ぎないことが明らかになっています。私はこの脳科学の知見を活用し、スキルとして自信を手に入れたことで、アポイント取得率や営業の成約率が向上しました。

営業において、この「自信」をスキルとして伝えることができるのです。今回の内容では、相手に自信を感じさせるためのスキルを一緒に学びましょう。

①姿勢

背筋が伸びて堂々と話す人と、猫背で覗き込むように話す人では、どちらが自信を感じさせるでしょうか?科学的にも、正しい姿勢は自信や影響力を高めるとされています。姿勢を正すことで、ストレスホルモンであるコルチゾールが抑えられ、自信に関与するテストステロンが増加します。これにより、相手に与える印象が良くなり、意見が通りやすくなります。

さらに、アポの際にも姿勢が良いと声の質が向上します。背筋を伸ばし、リラックスしながら上を向いて話しましょう。

② 表情

メッセージと表情が一致しているか確認しましょう。営業成績が思わしくないと、営業マンは無意識に怖い顔をしてしまいがちです。「気楽に聞いてほしい」と伝えながらも、表情が硬いと逆効果です。笑顔は、余裕や自信を感じさせる要素です。心理学的には、笑顔を作ることでドーパミンやエンドルフィンが分泌され、リラックスした状態になり、相手にポジティブな印象を与えます。

営業やアポの場面では、爆笑、笑声をテクニックとして習得することでコミュニケーションが円滑に進み、結果として成約率が向上する可能性が高まります。

③ 声

声の暖かさは、相手に安心感を与え、自信を持っている印象を強化します。心理学的にも、声のトーンやテンポは相手の感情に影響を与えるため、優しい声質を意識することが重要です。

10歳の子供に話しかけるような、明るく穏やかな声を心がけましょう。録音して、自分の声が暖かいか、緊張で震えていないか確認してください。

自分の声を聞き返し、「聞きたい」と思われる声かどうか、そして自信を持って話しているかを振り返り、改善していきましょう。

④ 言い切り

言い切ることで相手に自信を感じさせることができます。「絶対に聞いた方がいい」と「聞いた方がいいと思う」では、前者の方が説得力があり、信頼されやすくなります。

また、「思います」という言葉を頻繁に使うと、相手に自信がないと感じられることがあります。そのため、曖昧な表現は避け、しっかりと言い切る習慣を身につけることが大切です。言い切ることで、信頼感と影響力が強化されます。

実践ワーク

① 姿勢

アポ前に、天井を見上げ、手のひらを外側に向けます。その後、元の姿勢に戻すことで、自然でバランスの取れた姿勢を作れます。力みを取ることがポイントです。

アポ中は、正面よりも少し上を見ながら話すことで、落ち着きと自信を感じさせる姿勢を維持します。

② 表情

口角をしっかり上げ、できるだけ口を大きく開いて話しましょう。笑顔を意識することで、相手に余裕や親しみやすさを感じさせることができます。時には爆笑することも効果的です。

③ 声

アポ前には、深呼吸をして呼吸を整えましょう。このとき、腹式呼吸であることを確認し、深呼吸は息をしっかり吐ききることから始めると、リラックス効果が高まります。

声に暖かみを持たせるために、10歳の子どもに話しかけるイメージで余裕を持って話すことを意識しましょう。

④ 言い切り

アポの録音を振り返り、言い切りができなかった場面があれば、次にどう言うべきかを必ず考え、改善しましょう。この際、オーバートーク(過剰な表現)になっていないかも確認が必要です。

自分自身で考え、言い切りの力を養うことが重要です。分からない場合は、知識のある人に相談し、適切な言葉遣いを身につけましょう。

最後に

たとえ自信がなくても、スキルとして自信を伝えることは可能です。しかし、根本的には自分自身に自信を持つことが最も大切です。自分に嘘をつくと、IQが低下し、パフォーマンスも落ちてしまいます。私自身も以前は自信がなく、失敗ばかりで自分を責めていましたが、それでは何も変わりませんでした。そこで心理学を学び、「自信は思い込みだ」と気付きました。

人間には良い面も悪い面もあります。それが自然であり、完璧な人間など存在しません。仮に完璧な人がいたとしても、その人からは人間らしい魅力や深みを感じることは少ないでしょう。尊敬する人物になりたいと思うことは大切ですが、その人になることは不可能です。重要なのは、自分自身の個性を活かして勝負することです。

売れる営業マンは、自分を偽らず、他人と違う個性を武器にしています。逆に、誰かになろうとすると自分に嘘をつくことになり、結果的に自信を失ってしまいます。

人間としての深みは、失敗や不完全さを受け入れることで生まれます。自分の欠点を受け入れるからこそ、他の人も受け入れることができます。だからこそ、売れる営業マンは「変人」と見られることもあるのです。自分自身の価値に気づき、それを信じることが、本当の自信に繋がります。

自信を持つということは、自分をありのままに認めることです。結果がでなくても、周りに認められなくても自分だけは味方でいましょう。そうすれば、あなたはあなただけの営業ができるようになります。

人は誰しも他者から見れば変人。普通ではない、いびつな部分こそが、その人の個性や魅力を形作るものだと私は思います。

参考文献

  1. “Self-Efficacy: The Exercise of Control”

    • 執筆者:Albert Bandura

    • 発行年:2016年

    • 簡易説明:自己効力感に関する先駆的な研究で、人間の行動やパフォーマンスに与える影響についてまとめた書籍。

  2. “Self-Determination Theory: Basic Psychological Needs in Motivation, Development, and Wellness”

    • 執筆者:Richard Ryan, Edward Deci

    • 発行年:2017年

    • 簡易説明:自己決定理論に基づき、自己肯定感や動機付けに与える心理的要因を詳細に論じた書籍。

  3. “The Confidence Code: The Science and Art of Self-Assurance”

    • 執筆者:Katty Kay, Claire Shipman

    • 発行年:2018年

    • 簡易説明:自信の科学的背景と、その発達に関する実践的なアプローチを提供する書籍。

  4. “Mindset: The New Psychology of Success”

    • 執筆者:Carol S. Dweck

    • 発行年:2016年

    • 簡易説明:固定された考え方と成長志向の違いが個人の成功にどう影響するかについて論じた書籍。

  5. “The Power of Positive Thinking”

    • 執筆者:Norman Vincent Peale

    • 発行年:2015年(改訂版)

    • 簡易説明:ポジティブ思考の心理的影響と、それが自信やパフォーマンスに与える影響をまとめた古典的な著作。

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