あなたは、人生で一度でも「ヒーローが助けに来てくれなかった」と感じたことがあるだろうか。
本記事では、幼少期のいじめ、園長としての挫折、うつ病を経て、「自分がヒーローになる」と決意した【ワールドヒーローズ代表・中村元宣さん】の物語を紹介する。
彼のIKIGAIは「自分の人生を映画のように面白くすること」。その軌跡を追う。
ヒーローは、来なかった
イジめてきた人に復讐する。
困った時、僕が大好きだったヒーローは助けてくれなかった。何度呼びかけても来なかった。いくら叫ぼうが、いくら泣こうが、僕の知っているヒーローはいなかった。
絶望し、死にたくなった。何度も死のうと思った。しかし、死ねなかった。
死ぬこともできない自分はものすごい弱虫だと思った。
永遠に続くと思った地獄の日々、誰も助けてくれない絶望の中で気づいたことがある。
自分が一歩踏み出さないと何も変わらない。
『自分がヒーローになるんだ』と。
幼少期の経験を語るのは、ワールドヒーローズ代表の中村元宣さん。保育士や体育遊び指導員として1万人以上の幼児・学童の子どもたちと関わり、2000人を超える先生たちにカウンセラーや子育て講演家として講演やセミナーを行っている。
園長時代の挫折——保育業界での挑戦と葛藤
保育の業界で勤め始めて数年後、縁あって雇われ園長となった中村さん。これで理想の保育を子供たちに提供できると信じ、すぐに改革に乗り出した。
中村さんの信念は「子供たちだけでなく、先生たちも幸せにする」ことだった。残業時間をゼロにすることで、先生たちのプライベートが充実し、笑顔が増え、その結果として子供たちにも良いサービスを提供できると確信していた。
そのために、業務改善を徹底し、残業しなくて済む仕組みを作り上げた。残業が多い先生にはヒアリングを行い、何があれば残業しなくて済むのかを聞いた。月に一度は会議を開き、中村さんの思いや先生たちの思いを伝え合った。
しかし、中村さんの理想に共感してくれる人よりも、反対する声の方が大きかった。変化を起こす度に反発が起きたのだ。
中村さんは深く考え、悩みながらも実行に移した。しかし、反発の声は大きく、正義と正義がぶつかり合う状況が続いた。誰も悪くない。それでも、いくら行動しても現状は変わらなかった。
気づけば、中村さんはうつ病になっていた。
中村さんは語る。
『今だからこそ言える。うつ病は自分自身と向き合うきっかけになった』と。
一言のエールが生んだIKIGAI——「将来絶対に映画を作って」
苦しい時期に助けてくれた人々は、一生の宝物である。
保育園の経営が厳しい状況にあったその時、出資してくれた友人がいた。友人の出資条件は「げんちゃん(中村さん)は将来絶対に映画を作るから、その時に半券を頂戴」というものだった。
この瞬間が、中村さんにとってIKIGAIが生まれた瞬間であった。
「自分の人生を映画のように面白くする」。
ヒーローは、友人の声で再び立ち上がることができたのである。
夢があるからこそ、伝えられるお金の大切さ
中村さんには夢がある。世界一、自分らしくいられるヒーローの秘密基地を作ることだ。理想の保育園を作るには約2億円が必要だ。
夢はお金があれば叶うものもある。だからこそ、お金は大切だ。そのためには知識が必要である。
資産管理において最も大切なマインドセットを構築するための知識を提供している。誠実性と知識があれば、この時代でも戦える。
自分が助けてもらったように、自分も同じように誰かを助けたい。その想いを持ち行動し続けた結果、教育委員会や厚生労働省などからも講演の依頼が来るようになった。
投資の知識は怪しまれることもあり、信じてくれない人や冷ややかな声をかけてくる人もいる。しかし、自分を信じてくれない人の見方はどうでもいい。
なぜなら、自分にはたくさんの味方がいて、何よりも幸せだから。
承認欲求は自分が幸せであれば消えると中村さんは言う。
失敗という名の勲章が、信頼を生む
人生100年時代の不安をなくすために、人が不安に思うお金、時間、人間関係の問題を解決するためには、知識を得て行動し続けることが必要だ。
人の信頼はどれだけ失敗してきたかにかかっている。人と違う失敗をしたストーリーが信頼につながる。
自分の人生を映画のように面白くする。今まで私は数えきれないほど挫折してきた。人生に絶望し、死のうとしたこともあった。
それでも今、私は誰よりも幸せだ。
真の復讐は、誰よりも幸せに生きること
いじめてきた人に復讐する。それは自分が幸せになることで達成することができる。
誰よりも幸せに生きる。もう私の復讐は達成している。
本当はとっくに復讐するなんて思っていない。もうとっくにあの時のことは消化していて、今は恩を感じている。あの時がなければ、敷かれたレールから踏み外す人生は歩めなかった。
「映画って浮き沈みがないと面白くない」。
これからも自分の映画を面白くするために動き続ける。そしていつか最高の映画を完成させる。
中村さんは言う。
『みんなヒーローになれる』
あとがき
中村さんの魅力の裏には、多くの失敗と挫折があった。失敗と挫折の数が、人と違う失敗が、人間的な魅力を生み出す。人と違う失敗があるからこそ、信頼に繋がる。これは多くの人に希望を与えると感じた。
失敗がダメだとする常識や、嫌だと思っていても皆と合わせることが求められる社会。みんなが言う成功のレールを外れた者は落ちこぼれとされる。だからこそ、レールから外れるのは怖いし、失敗も怖い。そういう社会の圧力がある。
ただ、中村さんは違う。**IKIGAIを胸に、自分の人生を生きている。**彼は胸を張って言う。「誰よりも幸せだ」と。その光と魅力は、中村さんの過去が作り上げてきたのだろう。
この中村さんのストーリーが、誰かのIKIGAIに繋がっていく。私は今回、中村さんの想いを次世代に伝えていくために記した。
『私も誰かのヒーローになれると信じて』
IKIGAIコネクター
尾﨑弘師
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